私のお人形
「ハロー」


突然、聞こえた。

チャックの声。


嘘、まさか…。


「ハロー、ユリちゃん。聞こえてる?」


カーステレオのスピーカーから声がしている。

だって、ママ、車のキーを抜いていったから、音が出るわけない。




「きゃああああぁぁぁぁぁ!!!」


私は運転席と助手席の間に体を半分入れて、オーディオに手を伸ばそうとして悲鳴を上げてしまった。



だって、フロントガラスに、チャックが張り付いていたから。
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