私のお人形
■囁き
あれからセーラは動かなくなってしまった。
ママが苦心して直してくれたけれど、つぎはぎだらけのセーラ。
金髪の巻き毛の愛くるしいお人形の面影はまったくない。
ゴミ捨て場に捨てられていたような哀れな姿。
「ねえ、ユリちゃん。セーラをさ、神様のところに返してあげよう」
ママが言った。
私はうなずく。
できれば早くセーラを手放したい。
そう思っていたから。
セーラを紙袋に入れ、ママと二人ある神社へ向かった。
ママが苦心して直してくれたけれど、つぎはぎだらけのセーラ。
金髪の巻き毛の愛くるしいお人形の面影はまったくない。
ゴミ捨て場に捨てられていたような哀れな姿。
「ねえ、ユリちゃん。セーラをさ、神様のところに返してあげよう」
ママが言った。
私はうなずく。
できれば早くセーラを手放したい。
そう思っていたから。
セーラを紙袋に入れ、ママと二人ある神社へ向かった。