私のお人形
…が、ママの腕時計にセーラの髪の毛が絡まってしまった。

「あら、おかしいわね。どうしたのかしら」



まさか…!

セーラは死んでいないのかもしれない。

いや、死んだふりをしていただけかもしれない。

額に脂汗が滴っていた。



神主が絡まった髪の毛をほどこうとするがおかしなことに余計に絡まり、一向にほどけない。

ママも神主も腕時計のことしか見ていなかった。




だから気づくわけない。




セーラが私を見てにやりと笑ったことを。

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