私のお人形
ママの視線の先にはセーラがいた。

「え? 何って…」

さっき結んだ水色のリボンのことを言っているのかしら。

へんなママ。

私はかわいく変身したセーラをママに見せようと、食卓に向かった。

しかし、椅子に座っているセーラはあまりにも変わり果てた姿だった。



リボンはほどかれ、髪の毛はまるでむしられたようにぼさぼさ。

そして洋服もところどころボタンがちぎれ、肌が見えそうだ。



「セーラ!」

私はセーラを抱き上げ、その顔を撫でた。

かわいそうなセーラ。

いったいどうして?

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