私のお人形
しばらく沈黙が続いた。

息苦しい。

まるで鉄格子の中に閉じ込められてしまった死刑囚のように、私たちは沈痛な表情を浮かべたまま、ただ黙ってそこにいた。


「あの…」

――沈黙を破ったのはママだった。

「教会に封印されていたのはどんな人形だったんですか」



私は膝の上で固い握りこぶしを作っていた。

そうやって力を込めることで、恐怖に打ち勝とうとしていた。
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