私のお人形
「ユリちゃん…」

ママは寂しそうな顔で私を見つめていた。

「ママ、私さっきセーラに水色のリボンを結んであげてたの。髪もとかしたし、すごくかわいくなってたのに…」

悲しかった。

私が眠っている間に、誰かにやられたんだわ。

そうに決まってる。

「ママ、誰かがやったのよ、きっと」

でも、ママは大きなため息を一つつくだけだった。

「だって、家には鍵がかかっていたわ。誰も入ってくるわけなんかないのよ…」

「え?」

ママは私の体を抱きしめていた。

ぎゅっと力をこめて。

そしてこう言った。

「ユリちゃん、寂しいのね。ごめんね、ごめんね…」
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