私のお人形
トイレはキッチンの隣にある。

回復した右手をドアノブにかけ、ドアを引いた。



「きゃああああぁぁぁぁ!!」



真っ暗なトイレの便座に何かがいた。

暗闇の中光る二つの目が私を捉える。

私は慌てて電気をつける。




「やっと、会えた」



便座のふたの上に座っていたのは、セーラだった。

つぎはぎだらけの顔をゆがめてわらう。

その顔はまるで鬼の形相だ。



「ユリちゃん!」


私の悲鳴にとびおきたのだろう。

ママが私の肩を抱いていた。
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