私のお人形
ママは顔に張り付いたセーラをどかそうと必死にもがくが、セーラはけらけらと甲高い笑い声をあげるだけで一向にやめようとしない。

セーラの体をつかんでいたママの手がそのうち宙を探るように踊り、やがてママの体は床に倒れこんでしまった。

「ママ!」

「口ほどにもない。ちょっと鼻と口をふさいだらこんなもんだ」

セーラは鼻をふんと鳴らす。

「ママを殺したの?」

「まだ死んでない。気を失っているだけだ」
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