鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
「まさか」
李は無表情のまま言う。
「助けてくれ…などとは言わないだろうな」
「……っ」
歯噛みする谷口。
「祖国を捨てて、よりにもよって日本などに亡命したお前を、俺が助けると思うか?」
冷徹に告げる李。
彼の頭にあるのは、任務を遂行する事のみ。
その為の障害となるものならば、躊躇も逡巡もなく排除する。
それが例え親兄弟だろうと、かつての親友だろうと。
己の肉体がどれだけ損傷しようとも任務を果たす。
人民軍の兵士は、そういう風に教え込まれていた。
李は無表情のまま言う。
「助けてくれ…などとは言わないだろうな」
「……っ」
歯噛みする谷口。
「祖国を捨てて、よりにもよって日本などに亡命したお前を、俺が助けると思うか?」
冷徹に告げる李。
彼の頭にあるのは、任務を遂行する事のみ。
その為の障害となるものならば、躊躇も逡巡もなく排除する。
それが例え親兄弟だろうと、かつての親友だろうと。
己の肉体がどれだけ損傷しようとも任務を果たす。
人民軍の兵士は、そういう風に教え込まれていた。