Animl life ~アニマル ライフ~



すると…

私の方を向いて固まる2人…


私…変なこと言った?



「こいつ…ありえねぇ……」



大地がそういうと紫音も「あぁ…」と
なぜか呆れた様子…




「きょん…“こいつ”ってのはお前のこと だよ…てか普通はわかんだろ!?」



私!?
紫音がそういうなら本当なんだろうけど


と…少し使えるようになった頭でさっきの2人の会話を思い出す…




「優夜が…私を………取り戻す……?」




サァーっと何かが抜けていく感じがして
ブルっと震えた…


「やっと理解したか…
だから…とにかくやべぇんだ

きょんを家まで送るために俺が緑に
パシられてここにきたんだよ」




今の私は……

ただただ優夜に会いたくなくて
優夜に会うのが怖くて…


無意識に大地の手をギュっと握っていた




「それなら早く帰った方がいい…

あいつら…餓狼は夜行性の獣みてーな
もんだ…
それも…腹ペコのな…

大地…車か?」



紫音の話しを聞いてますます怖くなってしまった私…

大地はあぁ…と返事をした…



「きょん…
とりあえず…今日は大地と帰れ…
それから…絶対に1人になるな…


あと…この件が片付いたら…
“あの話”をしよう」


あの話…
きっと私と優夜のこと…

この話しをするのはもう少し先の話…




私は大地に手を引かれて紫音にバイバイをした…


紫音の病室を出てから大地は一言も話さないけど
私と繋いだ手はギュっと握っていてくれた…


私は…こんな大変な状況なのに
大地が手を繋いでいてくれる事が嬉しくて…

大地のこと好きだな〜
なんて呑気なことを思っていた…






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