蝶々

出会い

『ねぇ、由美。』

「ん?」

『私、将来どうしよう。』

唐突すぎるその質問に由美は首を傾げた。

当たり前だ、さっきまで【目玉焼きにはソースか醤油か】の話で盛り上がっていたから。

「確か、薬剤師になるって言ってなかったっけ?」

『いってたよ。』

「薬剤師はどうなったの?」

『薬の臭いが駄目だったことを思い出したの。』

そう言い終わる前に、親友の由美はため息をついた。

「そういうこと、普通忘れる?」

『現に忘れてた人がここに。』

本日2度目のため息が聞こえた。
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