永遠に
……………?
私は足をとめた
歩道橋の上
心を奮わせる音楽
私を潤す声
鋭くて優しい目
気付けば
ストリートライブを
かこむ人達の一番前で
私は彼を見つめていた
それは夢の様に
一瞬の出来ごとに
思えた。
私は彼の世界に
魅力され酔いしれ
ひきこまれていた
「みんなありがとう。12月24日に駅前の箱でクリスマスライブやるんで、よかったら来て下さいね終わったら打ち上げもあるんでっ」
最後の曲が終わると
彼はそう言って
かけよる何人かの
女の子に
笑顔で話をしていた
私がずっとみつめてたから
視線を感じたのか目が合った
私は恥ずかしくなって
目をそらそうとしたのに
彼の射ぬく様な瞳に
目がはなせなかった
「クリスマスライブきてね」
彼は私にそう言った
馴染みのファンでもない
通りすがりの私に
そう声をかけたのが
少し不思議だったけど
私は嬉しくなって
ちいさくうなずく
彼は他のメンバーと
夜の街に消えた
それはあまりにも突然で
そして幻の様に
世界の色をかえた
私の真っ黒な世界を
まぶしくて鮮やかな
夢の世界にかえてしまった
私は彼に
恋をした