どうか君に【短編】
あの日以来、優子はまた学校に来なくなった。


そしてそのまま学校は夏休みに入った。


夏休み前はよく優子の家に見舞いに行っていたが、最近はメールで『もうお見舞いに来ないで』と告げられ、一度も行っていない。


当然、理由は気になった。


でも、『理由は聞かないで』という言葉が一緒に添えられていたため、無理に聞くこともできなかった。


毎日毎日、まるで何事もなかった二人のように他愛のない話をメールで交わした。


それでも夏休みになって一週間が過ぎたある日、俺は優子の家に行った。


急に不安になって、どうしようもなく会いたくなった。



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