どうか君に【短編】
俺は2枚目を読んだ。



『私ね、手術していなくなるよりか、和輝と一緒にいたかったんだよ。


何事もなかったかのようにいつも通りの日常を過ごしたかったんだ。


たとえ短い時間でも……



私分かったの。


いつも当然のように過ごしてた時間がどれだけ大事か。


あなたと悩んで



あなたと泣いて



あなたと笑った



あのかけがいのない日々をどうしても崩したくなくて、私は病気のことを隠したんだ。



ごめんね



そんな私でも、好きでいてくれて


ありがとう』



手が震えた。



「気付いてたんだ……本当はお前が普通じゃないことぐらい気付いてた。でも、優子が必死に隠すから……必死に日常を崩さないようにしてたから……俺は気付いてないふりしか出来なかったんだ……



こんな俺を……



好きでいてくれて



ありがとう」



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