どうか君に【短編】
昼休み



「それ、俺が持って行くから」


積み上げられたノートを持って行こうとしてた優子は、俺の言葉に目を丸くする。


「大丈夫だよ。そんなに重くないし」


「お前病人だろ? ほら、無理すんなって」


俺は無理やり優子が持っていたノートたちを取り上げようとした。


「じゃっ、じゃあ半分! 半分にしよう、ね?」


これじゃあ、まるで俺がお菓子を取り上げようとしている子供みたいだ。


なんでそんなに仕事をしたがるのか分からないが、優子は生徒委員だからいつも何かしら仕事がある。


それ以外にも困っている人を見つけるとすぐに手助けをしようとする。


しかも自分は誰にも頼ろうとしないのでいつも忙しそうだ。


まぁそんなところに魅かれたわけだけど……


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