どうか君に【短編】
放課後



俺たちは一緒に帰った。


優子はいつも俺の少し後ろを歩いてくる。


「やっぱり久々に行くと勉強わからないよ」

少し後ろから聞こえてくる優子の声。


きっと苦笑いしながら言ってるんだろう。


「テスト前にちゃんと教えてやるよ」


「うん、ありがとう」


会話がなくなって、沈黙が続いた。


なぜか少し空気が重いような気がした。



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