ダブル・ブレイカーズ01
さくらは二人を呆れながら見ていた。

「それで?」

「あたしの家の家宝なの」


「家宝?」

「お宝だよ。話が進まねーな」


「それをね、父が、出張で朝霧に行った時に取られたの」


「これまた物騒な」


「犯人の見た目とかはわかるかい?」


アスタリスクは画像を見たがら尋ねた。


「父も覚えていないみたい。すぐに、鞭で叩かれて、気絶したんだって」

「鞭ねぇ」


「宝石だけを取ったの?」


「うん。軽症らしくて」


「なるほど。眠らせるだけに叩いたんだね」

「性別とかは?」


「女性みたいよ」


「――――――アスタリスク」


彼方はアスタリスクに言った。


「こんな事件、聞いたことない?」


「聞いたよ」


「二人とも?」


「七瀬さん、聞いてくれよ」




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