ダブル・ブレイカーズ01
「そうですの?」

菜月と呼ばれた少女は言った。

「質問は終わり?私は仕事だから」

「お気をつけくださいませ。お姉様」

少女は女性に言った。

女性がいなくなったあと、

「チッ」

少女は舌打ちした。

「下らないって何よ」

少女、菜月は呟いた。



「彼方くん!」

彼方が事務所に戻った時、

一人の少女がいた。

長いサラサラした茶髪をポニーテールに束ねた、勝ち気そうな少女である。

名前は七瀬さくら。

前回の事件で、自然豊かな都市朝霧の実態を知った少女だ。

朝霧の実態。それは、

ただの人間を特殊能力者にする奇妙なエナジーが、朝霧にばらまかれ、

特殊能力を用いた犯罪が盛んなことを。

「アスタリスクは?」

「アスタリスクくんなら―――」

さくらが答えた瞬間、

ドタドタ!

音がした。



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