ダブル・ブレイカーズ01
「―――――――――」

音は、小さなキッチンからだ。

彼方はキッチンに向かった。

そして、

「ったく――――――」

彼方は絶句した。

キッチンでは、少年が派手に散らかしていた。

亜麻色の髪に色白の華奢な美少年。

アスタリスクだ。

「痛い」

アスタリスクは呟いた。

周囲には、ガラスの破片やお湯が飛び散っている。

「なにしてんだよ」

「お茶を淹れたくなったのさ」

「何?この慘劇。冷やしてきて」

「―――――――――」

「火傷したら、困るの!わかる?」

「―――――――――」

「アスタリスク」

メキョ。

ガラスの破片が更に細かくなる。

「洗面所に行ってきます」

「よし。オレは片付けるから、そのあとお茶を飲もう」

「何を?」

「ローズヒップ」

「わかった」
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