ダブル・ブレイカーズ01
そして、


<七瀬さくらさん、だよね?>


声がした。


<そうですが>


少女、七瀬さくらは振り向く。


現れたのは、



風変わりな少年だった。


闇夜みたいに漆黒の髪に、目も同じ漆黒。


そして、漆黒のスーツを纏う少年だった。



<――――――――――――>




<はじめまして>



少年は、ポケットから名刺を出した。


<僕は、如月探偵事務所の、如月彼方です>



<女の子みたいな名前ですね>



<あだ名は、カナです>



<へぇ。改めて、あたしは七瀬さくらです>



<七瀬さんの依頼を確認しますね?>



少年、如月彼方は言った。



<如月さんは何歳ですか?>




<僕の年齢ですか?>


彼方は言った。



<17歳になったばかりです>
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