* M と S *

「琴さ、ん」

私の額にはびっちょりかいていた。

「残念ですが…」

私は恐れ恐れ病室に入った。

お母さんの顔の上には白い布がかかっていた。

「嘘で、しょ?」

「お母さん!」

「おきてよ!」

「ねぇ!」

「琴さん!琴さん!もう、無理なんですよ!」

あたしは、病室をとびたした。

気づいたら、屋上だ。


お父さんは十年前ガンで亡くなった。

家族いない生活なんて、

無理…

みんな、さようなら。

お母さん待っててね。

「おい!なにやってんだよ!」

「離してっはなしてよ!」

あたしは、けんと君の腕の中にいた。

「え!?」

「俺んとこ、こいよ。」

「え?」
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