僕はLillyに恋をしてはならない。
もともといた中学校からは百合しかこの高校にはいない。
だから、友達もいない。
百合は、一人で教室に向かった。
「6組・・・。あ、ここだ。」
入学したばっかりなのに女子も男子も数人ずつグループを作ってしまっている。
百合は、本当に孤独になってしまった。
教室のドアが開いて担任がはいってきた。
「席つけー。えー、今日からみんなの担任の朝倉敏郎だ。よろしく。」
一言言って、先生は出て行ってしまった。
(入学式なんて、ひとりくらいいなくてもいいか。ばれないよね。)
全員が体育館に向かう中、こっそりと百合は教室を抜けだした。