歌姫桜華

　第一レースが始まり、私は準備体操をし始めた。



　パンッという音がグラウンド中に響く。


　あ、あと、女子の歓声。



　うん。うるさい。



　あー、ダメダメ！


　うるさいじゃなくて、ありがとう、でしょ！？私。



　う゛～～～。


　だめだ。うるさいしか思えない。




　そんなことを考えていると、

　早くも私が走る順番に。



「いちについてよーいドン」



　町村さんがそれを言う人だったんだ……。



　パンッ！



　耳がいい私は、いいスタートダッシュし、どんどん敵との距離を長くする。

　ゴールにつくときは、まだ敵は全然後ろにいてびっくり。


「あれ？」


　……みんな、暑すぎて疲れてるのかな？