歌姫桜華


 和也は、私の前のレースで走ってた。



「おま……速すぎだろ」


「え、そう??」



 そう言ってる和也だって、一番じゃん。



 人のこと言えないよ。




 次は、80メートル走。

 昂と紺が出場する。


「頑張ってね!」


「はい」

「うん」



 私はまた木陰に戻ってきた。


 ここでみんな休憩してる。


 涼しいっていうメリットはあるんだけど…


 ネットに近いっていうデメリットがあるんだよね。



 女子がここめがけて声出すから、超耳に響いてうるさい。


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