歌姫桜華



「甲羅って言った瞬間、逃げましたよね」


 こっそり、“上”からやつらを見る。


「顔色変えてた」


「……今さっき調べましたけど、なにも出てきませんでした」


「なんか、あるな」


 調べた…!?私のことを!?


 早すぎだろ。おい。



「……伊島 美藍、だよな。名前」


「あぁ」


「美橙と関係あんのかな?」




 ドクン……



 美橙という名前に、私は目を見開く。



 やっぱり…美橙はまだ甲羅にいるんだ。



「呼ぶか?」

「いや、倉庫に行ったときでいいだろ」



 …どうしよう。


 美橙にこの高校に私がいるってバレたら………。


 
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