歌姫桜華
なんかいきなり、サボりたい…って思ってきちゃった。
でも、ダメなんだよねぇ。
だって、これも成績に入るんだもん。
「い、いらっしゃいませー」
苦笑い…に見えない笑顔で、私はお客さんに言った。
「えー、女ぁ!?和也様はどこぉ~~?」
「和也ー!指名入ったよーーー!!」
「チッ。……今行く」
うん。バッチリ聞こえちゃったかな…舌打ち。
でも、客の女には聞こえてなさそうだったけど。
――――ぁ、そっか。
だから、準備のときも嫌々そうにやってたんだ。
納得納得。