歌姫桜華




 なんかいきなり、サボりたい…って思ってきちゃった。



 でも、ダメなんだよねぇ。

 だって、これも成績に入るんだもん。





「い、いらっしゃいませー」



 苦笑い…に見えない笑顔で、私はお客さんに言った。



「えー、女ぁ!?和也様はどこぉ~~?」



「和也ー!指名入ったよーーー!!」



「チッ。……今行く」




 うん。バッチリ聞こえちゃったかな…舌打ち。


 でも、客の女には聞こえてなさそうだったけど。






 ――――ぁ、そっか。

 だから、準備のときも嫌々そうにやってたんだ。



 納得納得。





< 251 / 830 >

この作品をシェア

pagetop