歌姫桜華

 手が震えてきた。


 やばい。





 過去のことが、脳裏に浮かぶ。






 やだ。…やめて。思い出させないで。




 ……助けて!





「……誰だ!」




 下から、叫ばれた。



 やばい。バレた。


 あのこと思い出したから、気配が……。




「……誰だっつってんだよ!」



 あいつ……総長なのかな?


 うっかりとはいえ、気配に気づくなんて。


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