歌姫桜華



 午前までの態度とはうってかわり、今度は女子が私を指名。



 え…なんで?

 さっきまであんなひどい扱いしてたのに…。



「ねぇ、紺……なんで私女子に指名されたの?
 私も女子だよ??」



 近くにいた紺に思っていたことを聞くと、



「……美藍がかっこいいからですよ。その鈍感さは可愛いですが」



 柔らかく微笑みながらそう答えた紺は、「紺くぅん~!こっち来てぇ」と女子に呼ばれ渋々行った。




 ……かっこいい?


 いや、紺に言われても説得力がない。


 だって、紺はイケメン。そんなイケメンに言われても…ねぇ。



 疑問は解決されず、私はモヤモヤを抱えたままその日はずっと接客をしてた。



 あ、…そういえば昼買ってきてない。

 まぁいっか。



 
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