歌姫桜華




「あ、美藍やっと来たんだぁ」




 新選組の衣装を身にまとった奏多が言った。



「…その服……」


「あ、あぁ。今日はこれ着て接客だとさ」


「大変だね」


「ホントだぜ。美藍はいいよなぁ…遊べてさ」


「いーだろぉ~」



 私が自慢げに言うと、奏多は「ずりぃぜ」と苦笑しながら言った。




「ま、午前は店番ねぇし、回ろーぜ」


「うん!!」




 すると、昨日よりも大きい女子の声が廊下から聞こえた。



「……来たみたいだね」


「あぁ…。吐き気がする……じゃなくて、女子の天国だね」



 ……奏多、本音出てるよ?




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