歌姫桜華



 涙が、目に溢れてくる。




 最後は、深々と一礼したあと、笑顔で手を振りながらステージ脇へと行った。






 息がしずらい。


 酸欠かな…?





 はぁはぁ、と息が荒くなる。




 すると、視界がいきなりぼやけてきた。


 あれ……?




 目の前が二重三重となって、ドアが二つ三つもある……。





 クラッ




 足がよろけ、クラリと体が傾く。



 やばい…。


 倒れる…!



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