歌姫桜華




 ねぇ…、今私どんな顔してるの?



 青いって本当なの?




 自分ではわからない。見えない。…だから、とても厄介でわかりにくい。






「私、ホント大丈夫だから…!」



 頑固な私は何度も何度も同じセリフで和也を納得させようとした。




「ダメだ。もう少し寝てろ」




 だが、和也もなかなか意見を変えない。


 しかも、まだ肩に和也の手がおかれてて、起き上がれない。



 ――まぁ、桜華の私は普通に起き上がれるけど、結構手に力が入ってるから起き上がったら「え!?なんで起きれたんだ」って聞かれるよね。そんで私は、黙り込んじゃう…。




 それだけは避けたいから、起きれないフリをしとく。


「手、離して?」


 私は、普段通りの喋り方で、でも少し恐めに話した。


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