歌姫桜華






 ガシャンッ!!!!!!







 物と物がぶつかったような、そんな音が耳に響く。



 嫌だ…嫌だ…。お願い、嘘だと言って?

 何度、神に祈ったことか。






 ピーポーピーポー……





 救急車の音。その音に続いて、パトカーの音もする。




 やっと全て理解したときにはもう手遅れで、私は今のこの状況を呪った。







「お父さん…?お母さん…?」






 前が潰れている車に、父と母は頭から血を流していた。


 さっき買ってもらったネックレスが、その時プチン…とちぎれた。





< 358 / 830 >

この作品をシェア

pagetop