歌姫桜華
私は急いでガガガッと晩御飯を食べ、
外へ出るため、フード付きパーカーにインナーはあったかく動きやすい黒のニットを着る。ボトムスはラフなスキニーを。
机の中からガサゴソと出したのは、―――――桜華だという印のピアス。
ピアスをパーカーのポケットに入れて、フードをかぶり、ファー付きのコートを着て寮をあとにした。
雪が空から降ってくる。
私はそんな雪にあたりながらも、走って走って冬休み前に調べておいた影狼の倉庫へと急ぐ。
寮を出るとき、時刻はもう7時だった。
まにあえばいいけど……。
私は全力疾走で倉庫へと向かう。
前が雪によってよく見えない。
それでも気にせず、前へ前へと走る。