歌姫桜華
――――やっと決まった。私の答え。
背中を押してくれたのは、紛れもなく“みんな”だ。
静かに私はポケットに入れたピアスを耳にする。
怖さも強さの一部にしろ。
もう私は、逃げも隠れもしねぇ。
弱いところも強いところも、全部が“私”なんだ。
「大丈夫」…さっき銀が言ってくれた言葉。あったかい手のひら。
「泣くな」…拓真、私は泣いてたのかな?自分じゃわかんない。でも泣きそうだったってのは確か。
あの桜華が、龍華の元・総長が泣くなんて…感情表しすぎだよな。