歌姫桜華
だんだんと目が、光に慣れてくる。
「あ……」
顔が、見えた。
予想は、当たっていた。
「晋也さん……」
家に来たのは、一ノ宮 晋也【イチノミヤ シンヤ】さんだった。
「どうして…ここが…」
居場所、なんでわかったの?
名前・生年月日・血液型……それくらいしか調べてもわかんないはず。
厳重にロックかけてるのに。
それに、父と母がいた頃…住んでいた家とは場所が違う。
引っ越したのに。
どうして……?
「去年からずっと探してた。…で、やっと見つけた。
聞き込みとかめっちゃ苦労したんだぞ?」
そう言って、私のボサボサの髪をなでた。