歌姫桜華
▽「私が桜華」
「―――みんな、ありがとね」
龍華のみんなの近くに立って、もじもじとしながら言う。
照れくさいな。まったく。
でも、伝えたかった。その言葉に、嘘はないよ。本当にありがとう、みんな。
「桜華はさすがだな」
銀は私にニカッと歯を見せながら笑った。私はその笑顔にホッとする。
「…さっき、みんなが来てくれてすごくすごく、嬉しかった」
あぁ、どうしよう。涙腺が崩壊しそう。
涙が止まらなくなりそうだ。