歌姫桜華






「声、かけよーぜ」





 語尾に「♪」でもつきそうなくらいのノリで、女好きの奏多が転校生に近づく。そんな奏多に続いて、俺らも近寄ってみる。






「なー」





 ニコニコニコ…と営業スマイルで奏多が声をかけた。




「……」



 無言のまま、外を眺める転校生。…無視!?おいおい。こいつ、どういった神経してんだ?奏多が声かけてんだろ。






「聞こえてますー?」





 奏多はめげずに転校生にもう一度声をかけた。



 また無視したら、俺、席に戻る。





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