歌姫桜華






 きっともう、この時から生まれていたんだ。新たな感情が。





 気づかなかったのは、なんでだろう。






 気づかないように、その感情を押し殺してたから?消そうとしてたから?







 どこか違う、だとか。オーラが…、だとか。変な理由つけて俺たちは美藍に近づいたんだ。









 美藍の抱えてる闇も知らずに。




 その闇を知るのは、俺らが高校を卒業したら。






 
 ――――今まで俺は何をしてたんだ、ってくらい弱かった。全国NO.1の族の総長だからって、調子に乗ってたかもしんねぇ。







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