歌姫桜華






 あぁ。そうか。そうだったのか。






 含み笑いで俺は曲を聴き続けた。







「え、なんで笑ってんのぉ?キモッ」





「キモくねぇよー」





「なんかいつもと違う、奏多。なんかあった?」





 多分昂、今心配した表情になってると思う。俺は目を閉じて曲を聴いてたから「多分」だけど。





 なんか…か。





「あったあった。すっごいことあった」






 適当にそう言うと、昂は「ふーん」と言いどこかへ行ってしまった。




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