歌姫桜華
口角を上げ、横目で俺を見る拓真。
「だな。もし美藍がここに通ってたら関係もわかってくるな。
クラスメイトって関係が」
それが事実なら、美藍は甲羅に入っていないことになる。なんかホッとした。まだ美藍は裏切ってない。そう思ったから。
「晋也さんに電話してみっか」
「は?なんでだよ」
「拓真、知らねーの?
――――常和高校の理事長は晋也さんだってこと」
「!? ま、まじか…」
「ちなみに、町村さんもいんだぜ?」
「!? なんで銀がそのことを知ってんだよ」