歌姫桜華

ごめんな、姉ちゃん



(美橙side)





 中三になろうとしていた春。






 俺は、家を出た。







 理由は、姉ちゃんへの怒り。いや、八つ当たりだ。







 父さんと母さんが、突然この世からいなくなった。








 涙が溢れ、なにかに当たってないと過ごせなかった。その“なにか”に姉ちゃんを選んでしまった。




 「どうして」「なんで」と姉ちゃんに何度も言った。「姉ちゃんのせいだ!」とまで言ってしまった。







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