歌姫桜華




「ごちそうさまでした」





 満腹になったところで、私は箸をおいた。






「じゃあ、ちょっとパトロール行ってきまぁす」




「いってらっしゃい」


「気をつけてな」





「うん!」







 一度二階に行き、動きやすいスキニーにあまり目立たないように灰色のTシャツ。フード付きのパーカーを羽織、深々とフードをかぶる。



 そして私は、家を出た。






 これが雷鳥の格好。私が私だってバレないように。







< 620 / 830 >

この作品をシェア

pagetop