歌姫桜華
「ん?どうかした?」
「へ…?」
「俺の顔、なんかついてる??」
「い、いや!?なんにもついてないよ!!本当だよ!!」
無意識に咲久の顔をガン見してた…。恥ずかしっ。
必死にそう言う私に、咲久は「ふーん」と興味なさげに呟く。
やっぱり、咲久は犬に似てる。てか、親戚みたいな。
眠そうな目とか、穏やかな喋り方とか。
ところどころについてる寝癖とか、大きな欠伸とか。
そんな幼馴染を見て、ドキドキする?普通。
したくてもできないでしょ。犬みたいな彼に。