歌姫桜華
なにが起きたの…?今の状況についていけてない私は、呆然とするのみで。
なにかと頬があたった?じゃあ、その“なにか”ってなに?
頬に手を触れさせる。
さっきからドキドキ、甘い鼓動が身体中に響き渡る。
チラリ、と咲久を見ると、へへ♪と頬を緩めた表情の咲久がいて。
―――そしてやっと理解できた能と、一瞬で赤く染まる私の顔。
「え、あ…、ちょ、さ、咲久!?」
咲久が、私のほっぺにキスを落とした。
その事実にやっと気づき、私は咲久の胸に向けてポカポカと軽く殴る。