歌姫桜華
―――――10時。
朱綾のいなくなった公園に、息を切らしながらやってきたのはデートに誘ったあいつ。
「はぁはぁ……、あれ?朱綾は…?」
寝坊した。遅れてごめん。そう言って謝ろうかと思っていた咲久は、キョロキョロと公園を見渡しながら違和感を感じた。
「朱綾がいない…」
時間に関してはうるさいあの朱綾がいない。そのことになぜか嫌な予感がした咲久。
「朱綾…!」
彼は、急いで公園近くを探したがやはりどこにもいない。
こうなったら…!と思い、彼はある人に電話をした。