歌姫桜華




 き、気持ち悪い…。私は涙を浮かべながら「ぃゃ…」と小さな声で反抗する。




「なに?誘ってんの?」




 は?なに言ってんの……?!



 早く私を解放しなさいよ。





 心では強気なこと思ってるくせに、口では言えない。そんな自分に腹が立つ。






 怖い…。助けて………誰か!!!





 目をつぶり、私は心の中でそう叫んだ。






 誰にも届くはずない。だって、口に出してないんだもの。届かなくて当然だわ。






 でも、助けがくることを望んでた。こんな最低な不良から、私を助けて…!ってやっぱり心の中で泣き叫ぶ。




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