歌姫桜華
背中にも冷たさが感じられる。…柱かなにかかしら?腕を動かそうにも動かせない。てことは、縄かなにかでくくりつけてあるってこと?
「それにしても起きねーな。このお嬢様」
「だなー」
「無理やり起こすか?」
「どんな方法で?」
「それはもちろん―――……ハハッ」
「ギャハハハッ」
どうにかして逃げたいけど、足が震えてきっと立てない。
もう、何してるのよ…!あの役に立たないボディーガードは!昨日は助けてくれたのに…。
「そろそろ電話すっか?」
「そうだな」
「探してるかもな、こいつのこと」
「じゃあ、電話かけよーぜっ」
「そうするか」