歌姫桜華
またね、正義のヤンキー
犯人五人は警察の人と一緒に下へおりていった。お父様と木原も後を追うように去っていった。
ここに残っているのは、私とボディーガードの二人だけ。
「はぁー、まさか誘拐事件が起きるなんて思わなかったぜ」
「それはこっちのセリフよ」
目が少しだけ腫れた私の目を見て、ボディーガードはニコッと微笑んだ。
「―――ま、いろいろあったけど、これで終わりだな。ボディーガードは」
…そ、そっか。一日だけ、っていう条件だったわね。一日って短い…。もっと一緒にいたかったのに。守ってほしかったのに。
なんだか寂しいわ――――――………