歌姫桜華
俺は昂と一緒にパトロールに出かけた。
夜の街ではよく、平和を乱すやつらが現れる。
俺ら・甲羅はそういう奴らを“元”に戻すんだ。
平和を守る。―――――姉ちゃんの美藍と約束したことだから。
繁華街に行くと、化粧の濃い女やチャラチャラした男がたくさんいた。数え切れないくらい。
いつまで遊んでんだよ。
でも、別に悪いことをしているわけではないから言わない。
「暇だねぇ」
「暇でいいんだよ」
呟いた昂に俺は軽く頭を殴った。