歌姫桜華
今まで出会った中で、一番と言っていいほど
―――可愛い……。
自分でも、顔が赤くなっていくのがわかる。
これを世の中では、一般的に「一目惚れ」というんだろうか。
「うっ……、」
こ刻めに震えている肩。本当に怖かったってことが痛いほどわかる。
「だ、大丈夫…?」
俺は彼女と同じ目線の高さになるように片膝をついて、ソッと涙を人差し指ですくいながら言った。
なんでこんなに緊張するんだろ…。
やっぱり、俺――――――……
「ぁ、ありがとうございました……っ」
深々と頭を下げながら、何度も「ありがとう」と呟く彼女。